聖書のメッセージ (主の降誕 2022年12月25日)

 イエスの誕生は、ローマ帝国の歴史と関係しています。福音史家ルカは、神がモーセに初子を神に捧げるように言われたことに触れています(出エジプト記13章1節)。この節は、マリアが他に子供を産んでいたことを意味するものではありません。イエスがお生まれになった時、天使たちは「救い主が誕生した」と告げました。救いは、イスラエルの民だけでなく、神が愛する人たち、つまりすべての人にもたらされるのです。私たちにとってイエスの誕生は大きな喜びの日であり、神をたたえ、神が私たちのためにしてくださるすべてのことを賛美するように招かれる時なのです。クリスマスは、人として、また神の子として、私たち一人ひとりとともに生きることを受け入れてくださったイエスの愛と憐れみの日です。「天のいと高きところには神に栄光あれ!」。

(ルカによる福音書2章1~14節からのメッセージです。)

神父

<ルカによる福音書2章1~15節>

 イエスは、ヘロデ王の時代にユダヤのベツレヘムでお生まれになった。そのとき、占星術の学者たちが東の方からエルサレムに来て、 言った。「ユダヤ人の王としてお生まれになった方は、どこにおられますか。わたしたちは東方でその方の星を見たので、拝みに来たのです。」 これを聞いて、ヘロデ王は不安を抱いた。エルサレムの人々も皆、同様であった。 王は民の祭司長たちや律法学者たちを皆集めて、メシアはどこに生まれることになっているのかと問いただした。 彼らは言った。「ユダヤのベツレヘムです。預言者がこう書いています。

 『ユダの地、ベツレヘムよ、お前はユダの指導者たちの中で決していちばん小さいものではない。お前から指導者が現れ、わたしの民イスラエルの牧者となるからである。』」

 そこで、ヘロデは占星術の学者たちをひそかに呼び寄せ、星の現れた時期を確かめた。 そして、「行って、その子のことを詳しく調べ、見つかったら知らせてくれ。わたしも行って拝もう」と言ってベツレヘムへ送り出した。 彼らが王の言葉を聞いて出かけると、東方で見た星が先立って進み、ついに幼子のいる場所の上に止まった。 学者たちはその星を見て喜びにあふれた。 家に入ってみると、幼子は母マリアと共におられた。彼らはひれ伏して幼子を拝み、宝の箱を開けて、黄金、乳香、没薬を贈り物として献げた。 ところが、「ヘロデのところへ帰るな」と夢でお告げがあったので、別の道を通って自分たちの国へ帰って行った。

 占星術の学者たちが帰って行くと、主の天使が夢でヨセフに現れて言った。「起きて、子供とその母親を連れて、エジプトに逃げ、わたしが告げるまで、そこにとどまっていなさい。ヘロデが、この子を探し出して殺そうとしている。」ヨセフは起きて、夜のうちに幼子とその母を連れてエジプトへ去り、 ヘロデが死ぬまでそこにいた。それは、「わたしは、エジプトからわたしの子を呼び出した」と、主が預言者を通して言われていたことが実現するためであった。

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